「日本の重要湿地曽根干潟」風力発電計画顚末記
曽根干潟にもあった風力発電計画~3年で計画没 北部九州有数の干潟(517ha)北九州市 小倉南区曽根干潟 ズグロカモメ ⒸS.TAKAHASHI ダイシャクシギ ⒸS.TAKAHASHI ツクシガモ ⒸS.TAKAHASHI クロツラヘラサギ ⒸS.TAKAHASHI カブトガニ ⒸS.TAKAHASHI 現在までに曽根干潟とその後背地で観察された鳥類は260種以上、春秋の渡り時期のシギ・チドリ類、越冬のために渡って来るカモ類やカモメ類には、重要な曽根干潟です。地元がその気になれば、すぐにでもラムサール条約登録湿地になれる干潟です。しかも、「生きた化石」と呼ばれるカブトガニの国内有数の産卵地でもあり、底生生物の宝庫とも言える曽根干潟です。 そんな曽根干潟に風力発電を建設しようという計画がありました。 2016年 11 月 地元有志者が 「曽根干潟にウインドファーム化実現に向けての取りくみ」 を発表!日本野鳥の会北九州支部は突然のことに驚き、事の事実を確かめることにしました。 風力発電計画の理由 曽根干潟の再生のために、「曽根干潟の自然を取り戻し、底生生物や魚・カキなどの育成を進める」「自然エネルギーを考え、自然に優しく環境完備に役立つ電力開発の実現」を訴えていました。 しかし、風車を建てて(さすがに干潟の中に建てるわけはない?)干潟はもちろん、野鳥や底生生物(カブトガニをはじめカニ類など)に悪影響があれば、生態系が崩れ、干潟の再生とは矛盾する結果になるのではないか。 北九州市の港湾関係に勤めていたOBは、 「そもそも曽根干潟全体が臨港地区漁港区の網がかかっており、構築物の規制がある。風力発電をやろうとすれば、都市計画変更をする必要があり、市役所内での調整から手続き、そして国への申請等、すぐには建設できない。」 ベンチャー企業が風況観測用タワーを建てるとの情報あり。 「曽根干潟の野鳥たちに大きな影響を与える風力発電建設は何としても阻止しなければ」 「曽根干潟」の生きものたちを守るために! 日本の重要湿地の一つであり、IBA(国際的に重要な鳥類の生息地)選定地の「曽根干潟」。希少な鳥類が生息し、日本のカブトガニ最大の生息地(産卵地)である「曽根干潟」。その重要性を行政や地元に再認識してもらうには、野鳥の会をはじめとする...